夏の「暑邪(しょじゃ)」から愛犬を守るには?
この記事の監修
「暑邪」とはどのようなもの?
暑邪(しょじゃ)とは、東洋医学で夏の強い暑さによって体のバランスが崩れ、不調につながる原因を表す考え方です。
暑い環境で体に熱がこもったり、水分が失われたりすると、愛犬の体にも負担がかかります。
「いつもと少し違う」という変化に早めに気づき、暑さを避けられる環境を整えることが大切です。
暑い日に確認したい愛犬のサイン
暑い季節に次のような変化が見られたら、体に熱がこもっていたり、脱水によって消耗していたりする可能性があります。
- 食欲が落ちている
- いつもより元気がない
- 口を開けて呼吸する時間が増えている
- 水を飲む量や排尿の様子がいつもと違う
症状の程度や原因はさまざまです。暑さによる変化と決めつけず、日頃から食事、飲水、呼吸、排泄活動量を観察しましょう。
暑邪対策の基本は水分補給と環境づくり
こまめに水分を補給する
いつでも新鮮な水を飲めるようにし、飲み水は複数の場所に用意しておくと安心です。
水だけではなかなか飲まない場合は、食事全体の栄養バランスに配慮しながら、水分の多い食材やスープ状のごはんを取り入れる方法もあります。
散歩は涼しい時間帯を選ぶ
散歩や外出は早朝や日が落ちた後など、比較的涼しい時間帯を選びます。
気温だけでなく、アスファルトの表面温度や照り返しにも注意し、肉球のやけどや体温上昇を防ぎましょう。
快適に休める場所をつくる
室温と湿度を確認し、冷房や風通しを適切に調整します。
冷風が体に直接当たり続けないようにし、愛犬が自分で涼しい場所と冷えすぎない場所を選べる環境を整えましょう。
夏の養生に取り入れたい薬膳食材
薬膳では、夏の食事に、体の熱を穏やかに冷ますと考えられる食材や、水分を補う食材を取り入れることがあります。
夏野菜・果物
- きゅうり
- 冬瓜
- トマト
- スイカ
水分を多く含む食材は、暑い季節の食事に水分を加える選択肢の一つです。スイカは皮と種を取り除き、少量にしましょう。
豆類・穀類・その他の食材
- 小豆、大豆、緑豆
- ハトムギ
- 豆腐
- 犬が食べられる種類の海藻類
東洋医学では、これらの食材の一部は余分な水分の排出や水分代謝を支える食材として、夏の養生に用いられます。
香味野菜を使うときの注意点
シソや生姜などの香りを食事に生かす考え方もありますが、犬に与える際は食材の安全性と量に十分な注意が必要です。
- シソは味付けされていないものを、ごく少量から試す
- 生姜は刺激が強いため、使用する場合は加熱したものをごく少量にする
- ミョウガは犬に積極的に与える食材とはせず、使用前に獣医師へ相談する
- ねぎ、玉ねぎ、にら、にんにくなどのネギ類は与えない
※食欲が落ちているときは、香味野菜だけで対応せず、体調不良や熱中症の可能性を確認してください。
食材は愛犬に合わせて少量から
夏向きとされる食材でも、与えすぎるとお腹が冷えたり、下痢や嘔吐につながったりすることがあります。
- 初めての食材は一種類ずつ、ごく少量から試す
- 必要に応じて加熱し、食べやすい大きさに細かくする
- 主食との栄養バランスを崩さない範囲で取り入れる
- 食後の便、嘔吐、かゆみなどの変化を観察する
持病がある場合、療法食を利用している場合、食物アレルギーがある場合は、自己判断で食材を追加せず、かかりつけの獣医師へ相談してください。
熱中症が疑われるときは動物病院へ
激しいパンティング、よだれ、ぐったりする、ふらつく、嘔吐や下痢、口の中の色の変化、意識の変化などが見られる場合は、熱中症の可能性があります。
※すぐに涼しい場所へ移動し、常温の水で体を濡らして風を当てるなどの冷却を始めながら、速やかに動物病院へ連絡してください。意識が低下している場合や自力で飲めない場合は、無理に水を飲ませないでください。
薬膳食材や「わんこだし」は、熱中症の治療の代わりにはなりません。
緊急時は食事よりも冷却と受診を優先しましょう。
まとめ|薬膳の知恵で夏を健やかに
夏の「暑邪」対策では、こまめな水分補給、涼しく休める環境、散歩時間の見直しが基本です。
そのうえで、愛犬の体質や体調に合わせて、水分を含む夏野菜などを少量から食事に取り入れてみましょう。
いつもと違う様子を見逃さず、無理のない夏の養生で健やかな毎日を支えてあげてくださいね。